妊娠中は何かと気を遣わなければいけない時期ですが、
チョコレートの食べ過ぎはどのくらいなのでしょうか?
こちらでは妊娠中チョコレートの食べ過ぎについて紹介致します。
妊娠中チョコレートの食べ過ぎってどのくらい?
まず、妊娠初期と妊娠中期でのお話をします。
妊娠中のおやつの量は厚生労働省の食事バランスガイドによると
1日200kcal以下と定められています。
チョコレートのカロリーを見てみると、
板チョコ1枚(50g)あたり275kcalとなっています。
ですので、板チョコを1枚食べるとカロリーの摂りすぎに当たる可能性があります。
食べるとしたら、チョコレートを1/2枚程度に抑えて、
他は別のおやつを食べるか、飲み物などで摂取カロリーが200以下になるように調節すると良いでしょう。
おやつは絶対に200kcal食べなきゃいけないものではないので、
少なくても問題ありません。
妊娠後期だとどうなの?
妊娠後期、具体的には28週以降になるのですが、
チョコレートを食べ過ぎるとカフェインではなく、
ポリフェノールの摂りすぎになる可能性があり、
日常的にポリフェノールをたくさん摂取していると
胎児動脈管早期収縮を引き起こしてしまう可能性が出てきます。
通常出生後に動脈管は閉鎖するのですが、
これが出生前に閉鎖してしまい、胎児の肺や心臓に負担がかかり
胎児が弱ったり、死亡してしまう可能性があるのです。
その症例が多く見られたのが、毎日ポリフェノールを500~1000mg摂取していた
妊婦さんに多く見られ、過去には200~780mgの摂取でも早期収縮が見られたというケースもあります。
チョコレートに含まれるポリフェノール量は、
板チョコ1枚(50g)で343mg
カカオ72%で1枚(5g)127mg
カカオ95%で1枚(5g)174mg
となっているため、
妊娠後期では板チョコを毎日1枚食べ続けると食べ過ぎにあたり、
高カカオチョコレートに至っては、毎日3枚程度食べると食べ過ぎに当たる可能性があります。
ですので、ポリフェノールの摂取量には十分に注意しないといけません。
カフェインは大丈夫なの?
1日のカフェイン摂取上限は英国食品基準庁(FSA)では200mgとされており、
日本ではそういった制限は規定されていないものの、
コーヒーなら1日1~2杯程度であれば問題ないとする医師は多いです。
コーヒーの種類にもよりますが、1杯あたり100mg前後のカフェインが含まれていますので、
2杯だと200mg程度になります。
チョコレートに含まれるカフェイン量ですが、
ミルクチョコレートの場合1枚(50g)あたり14mg程度のカフェインが含まれています。
高カカオチョコレートの場合でも50gあたり42mg程度のカフェインしか含まれていませんので、
よほど過剰摂取でもしない限りカフェインで問題になることはありません。
その前に肥満や糖尿病などの問題が起こるでしょう。
チョコレートを食べ過ぎるとどうなるの?
チョコレートは高カロリーな食べ物ですので、
食べ過ぎると気分が悪くなったり頭痛になることがあります。
日常的に食べ過ぎていると肥満や妊娠糖尿病のリスクが増大します。
肥満になると妊娠高血圧症のリスクも上がりますので、
食べ過ぎには十分注意してください。
妊娠後期では、食べ過ぎると胎児動脈管早期収縮のリスクが増大しますので、
特に高カカオチョコレートは数枚で症例の多かった1日ポリフェノール500mg以上を
摂取してしまうことになりますので、妊娠後期に入ると高カカオチョコレートの摂取は
控えた方が良いでしょう。
チョコレートは食べ過ぎなければ身体に良い?
チョコレートには、抗酸化作用が強いポリフェノールが含まれています。
妊娠初期や中期では妊娠後期のようにポリフェノールの摂取量にそれほど注意する必要がないため、
摂りすぎていなければ、動脈硬化の予防やシミがでないなどの美容効果も期待できます。
それだけではなく、食物繊維も含まれていますので便秘になりやすい妊婦さんにとっては
便通が良くなる効果が期待できるため、おすすめと言えるでしょう。
また、チョコレートには必須アミノ酸のトリプトファンが含まれており、
これはセロトニンの生成の原料となります。
セロトニンは幸せホルモンとも呼ばれており、抗鬱作用が期待できます。
というように、チョコレートには様々な効果が期待できるため、
定期的に摂取したい食べ物です。
チョコレートの食べ過ぎまとめ
妊娠中の1日のおやつの量は200kcal以下とされているため、
これを越えなければミルクチョコレートであれば食べ過ぎには当たりません。
ただし、妊娠後期に入るとポリフェノールの多量摂取が胎児に影響を
与える可能性があるため、摂取量には注意が必要になってきます。
特に高カカオチョコレートは1枚でもポリフェノールがたくさん含まれていますので、
1枚程度食べる分には問題はないでしょうが、1日に数枚食べることが日常的になっていると
胎児動脈管早期収縮のリスクを高めてしまいます。