妊娠中は何かと気を遣わなければいけない時期ですが、
チーズバーガーは食べても良いのでしょうか?
マクドナルドやロッテリア、モスバーガーなど様々なファストフード店で販売されていますが、
チーズは問題ないのでしょうか?
こちらでは妊娠中のチーズバーガーについて紹介致します。
妊娠中チーズバーガーは食べても良いの?
結論を言うとマクドナルド、ロッテリア、モス、ドムドム、バーガーキングについては
チーズは加熱加工をしたプロセスチーズが使用されていますので、
リステリア菌の心配なく食べることができます。
ファストフード店ではチーズはプロセスチーズが使われることが多く、
日本においては基本的にはリステリア菌の心配はする必要はないでしょう。
個人店などのハンバーガーは?
個人店やレストランなどでハンバーガーを提供しているお店もありますが、
日本であれば、食品衛生法で厳しく管理されているため、
基本的には問題ないかと思いますが、ナチュラルチーズの味を活かすため、
ナチュラルチーズを軽く炙った程度のチーズを使用しているところもあるかも知れませんので、
特にチェーン店ではなく個人店の場合は、注意が必要かも知れません。
もし個人店でチーズバーガーを注文する場合は、
一度店員さんにリステリア菌について聞いた方が無難でしょう。
量はどのくらい食べても良いの?
一般的なチーズバーガー1個のカロリーは300kcal程度となっています。
妊娠初期か中期か後期か、また普段の運動量によっても摂取しても良いカロリーは変化しますが、
例えば、普通の生活を送っている妊娠初期の方の場合は、
1食あたり516~533kcal程度は摂取しても良いので、
チーズバーガーにフライドポテトを追加するか
シェイクを追加するとちょうど良い1食分のカロリーになります。
たまにしか行かないのであれば、また普段規則正しいバランスの良い食事を摂っているのであれば、
それほどカロリーについては気にする必要はありませんが、
肥満や妊娠糖尿病が気になる場合は、カロリーについても意識した方が良いでしょう。
特に注意したいのは、ジュースなどに含まれる砂糖などの添加されている糖です。
これを摂取しすぎると肥満や妊娠糖尿病のリスクが高まってしまいますので、
摂取する量には注意してください。
日本産のチーズであればナチュラルチーズでも問題ない?
日本産のチーズであれば、モッツァレラチーズなどのナチュラルチーズであっても、
リステリア菌の心配をする必要はありません。
というのも乳の段階で加熱殺菌することが食品衛生法により義務づけられているため、
リステリア菌は加熱殺菌により死滅しますので、そこから作られたチーズには
リステリア菌はほとんど存在しませんので、基本的には加熱せずに食べても心配はいりません。
チェーン店のハンバーガーショップで使用されているチーズは、
海外産のナチュラルチーズを使用していることもありますが、
ナチュラルチーズを細かくして加熱して加工したプロセスチーズにしていますので、
リステリア菌の心配はいりません。
これはロッテリアの絶品チーズバーガーであっても加熱されていますので、
食べても大丈夫です。
参照:厚生労働省
気をつけなければいけないのは海外産のナチュラルチーズ
気をつけなければいけないのは海外産のナチュラルチーズです。
海外では衛生管理が日本とは異なり、乳の段階で加熱殺菌せずに作られるチーズがあるからです。
加熱を行なっていませんので、海外産の特に海外で食べるナチュラルチーズには
リステリア菌が存在する可能性があるのです。
日本の場合は、食品衛生法が厳しいため、
大手企業が提供するナチュラルチーズは海外産であっても、
リステリア菌の検査により陰性のものだけを輸入しているため(サイゼリヤなど)
加熱せずに食べても問題はないのですが、
個人店で輸入されたものはどこまで食品衛生法が守られているかわかりませんので、
個人店でのナチュラルチーズは注意した方が無難でしょう。
チーズ以外に気をつけなければいけないものは?
海外産のナチュラルチーズは注意する必要があると話しましたが、
他にも注意しなければいけない食べ物があります。
生ハムや生あるいは半生のお肉
生ハムやローストビーフ、レアやミディアムレアのステーキなどの
生あるいは半生のお肉です。
生や半生のお肉にはリステリア菌の危険性の他にトキソプラズマという寄生虫が潜んでいる可能性があり、
どちらも妊娠中に発症し、重症化した場合に胎児に影響が出る可能性があるのです。
ですので、生ハムやレアステーキ、馬刺しユッケ(桜ユッケ)などの生の肉は注意してください。
刺身やお寿司、生の魚卵
刺身や寿司、生の魚卵、スモークサーモンにも注意が必要です。
妊娠中でも刺身や寿司を食べている方はおられますが、
生魚や生の魚卵には、アニサキスという寄生虫が存在する可能性があるだけでなく、
リステリア菌も存在する可能性があります。
アニサキスは-20℃以下で24時間以上冷凍すれば死滅するので、
スシローやくら寿司などのお寿司は問題ないのですが、
リステリア菌は冷凍しても死滅しませんので、注意が必要です。
※アニサキスについて、スーパーなどで売られている刺身などは注意が必要
リステリア菌の食中毒になる確率は非常に低いのですが、
妊娠中は免疫力が低下することに加えて、リステリア菌の食中毒が
重症化した場合(侵襲型と呼ばれる)に胎児にまで影響を及ぼしますので、注意してください。
参照:食品安全委員会
大型魚や海洋性哺乳類
マグロやクジラ、ゴンドウイルカのような大型魚あるいは、
海洋哺乳類の摂取量に注意しないといけません。
本マグロ(クロマグロ)、メカジキ、インドマグロには
水銀が多く含まれているため、厚生労働省でも食べる量に制限を出しています。
マグロの場合、1週間に80gなど。
参照:厚生労働省
カフェインの摂取量
カフェインを多量に摂取すると流産の危険性があるために、摂取量をセーブする必要があります。
世界保険機関(WHO)では1日あたりのカフェイン量を300mgに制限するように求めており、
英国食品基準庁(FSA)では1日あたりのカフェイン量を200mgに制限するように求めています。
日本においてはこのような基準は設けられていないものの、コーヒーであれば1日に1~2杯程度なら
大丈夫という医師の意見は多いです。
参照:厚生労働省
妊娠初期のビタミンA(レチノール)の摂取量
妊娠初期にレチノールを過剰に摂取し続けると胎児の耳の形成異常のリスクが高まるとして、
摂取量に制限がかけられています。
1日に摂取しても良い量としては1500μgを耐容上限としています。
気をつけなければいけない食べ物としては、
- レバー
- うなぎ
- 穴子
- ハツ(心臓)
などが挙げられます。
参照:西の原歯科医院
生や半熟の卵
あと、よく言われるのが生卵ですが、日本の生卵は新鮮でヒビなど異常がなく
冷蔵保存されているものの場合は、サルモネラ菌の食中毒にかかることはありません。
とはいえ、0%ではないので、気になる場合は食べないようにした方が良いのですが。
チーズバーガーのパティは大丈夫?
大手ファストフード店では、パティ(お肉)はしっかりと加熱していますので、
リステリア菌やトキソプラズマの心配はありません。
心配しなきゃいけないのは個人店でパティではなくハンバーグを挟んでいるような場合に、
中心部分まで火が通っているかどうかを心配する必要があります。
例えばブロンコビリーなどのハンバーグもそうですけど、中が赤身だったりする場合は、
トキソプラズマの心配をする必要が出てきます。
もし、個人店で豪華なチーズバーガーを頼むときは、
注文の際に中までしっかり焼いてくださいとお願いするとよいかも知れません。
妊娠中の栄養バランスとチーズバーガー
妊娠中は栄養バランスをしっかりと考えることが大切です。チーズバーガーはファストフードの定番ですが、妊婦にとってはどのような影響があるのでしょうか。栄養面や摂取量に注意しつつ、チーズバーガーを楽しむことができるかを詳しく見ていきましょう。
①妊娠期に必要な栄養素とチーズバーガーの関係
妊娠期に必要な栄養素は、葉酸、鉄分、カルシウム、たんぱく質、ビタミンDなど、さまざまなものがあります。これらの栄養素は、胎児の成長や健康的な妊娠をサポートするために欠かせません。
チーズバーガーには、チーズから得られるカルシウムや、肉から摂れるたんぱく質が含まれています。また、ビタミンB群や鉄分も、肉やパンに含まれる成分として摂取できます。
しかし、ファストフードのチーズバーガーには、脂肪分やカロリーが多く含まれているため、頻繁に摂取することは控えた方が良いでしょう。必要な栄養を得るために、他の食事とのバランスを取ることが重要です。
できれば週に1~2回程度に抑えて、ファストフードに行った際は他の栄養素を補うサラダや果物と組み合わせて、チーズバーガーを取り入れると良いでしょう。
②チーズバーガーは妊婦にとって栄養豊富か?
チーズバーガーは一見するとカロリーが高く、脂肪分が多い食べ物ですが、栄養価も無視できません。肉に含まれるたんぱく質は、筋肉の成長をサポートし、チーズはカルシウムの供給源となります。
また、パンには炭水化物が含まれており、エネルギー補給に適しています。これにより、チーズバーガーは忙しい妊婦にとって手軽に栄養を補給できる選択肢の一つとなることもあります。
ただし、過剰な脂肪分や塩分の摂取には注意が必要です。特に、妊娠中は体重管理が大切ですので、ポテトや炭酸飲料などの高カロリーな付け合わせを避け、できるだけチーズバーガー単体で楽しむと良いでしょう。
チーズバーガーにサラダを追加したり、パンを全粒粉にしたりすることで、栄養価を高めながらカロリーを抑えることも可能です。
③チーズバーガー以外の妊婦向けファストフード
チーズバーガー以外にも、妊婦に適したファストフードはたくさんあります。例えば、グリルチキンサンドは、
脂肪分が少なく、たんぱく質を豊富に含んでいるため、妊娠中でも安心して食べられます。
また、サラダバーを提供しているファストフード店であれば、新鮮な野菜をたっぷり摂取できるので、栄養バランスが整いやすくなります。トッピングにチキンや卵を加えると、さらにたんぱく質を強化することができます。
魚を使ったメニューもおすすめです。フィレオフィッシュやグリルドフィッシュメニューは、オメガ3脂肪酸が含まれており、胎児の脳の発育に良い影響を与えます。
どんなファストフードを選ぶ際も、食べ過ぎには注意が必要です。1日に必要なカロリーや栄養素を考えながら、適量を心がけることで、健康的な食生活を維持できます。
まとめ
大手チェーンのファストフード店のチーズバーガーは
基本的にプロセスチーズを使っていることと、
しっかり加熱されていなかったり、ナチュラルチーズが使用されていても、
リステリア菌の検査はしていますので、リステリア菌の心配はする必要はありません。
ただし、個人店においてはそこまで管理されていないお店のあるかもしれませんので、
注意が必要です。